登山ギアの中で最も重要なのが靴(トレッキングシューズ)だと述べたが、2番目を挙げるとすればザック(登山用リュックサック、バックパック)だろう。
荷物を背負って長時間歩く登山では、荷物を軽快に運ぶことが疲れにくさにつながる。
とはいえ、メーカーも種類もサイズも様々でザック選びには困惑すると思う。そこで今回はザック選びについて学んでいきたい。
ザックの基本:本体の重量について
まず、大きく2つに分けられているザックの世界を整理していく。
“機能性“を重視した老舗登山メーカーがつくっているものと、ガレージブランドから生まれた“軽さ“を重視したもの(UL:ウルトラライト)で、ザック自体の重量に大きく差がある。
参考までに、具体的なブランド名を挙げる。
●老舗メーカー
- カリマー
- オスプレイ
- ミレー
●ガレージブランド
- 山と道
- Andwonder
- アトリエブルーボトル
重量の違いが何を生む?
では、ザック本体の重量で、どんな違いが出てくるのかをみていきたい。
荷物の重さ≒疲労に繋がるので、とにかくザック自体を軽くしようという観点から生まれたのがULザック。“軽くて背負いやすい“という大きな魅力があるのだが、ザックの重さを極限まで削るため、“疲れにくさ“や“収納しやすさ“など、快適に使うための機能を減らしている。
たとえば、以下のように調整されている。
- ショルダー/ウエストハーネスのクッション性を少なくする
➡︎長時間背負った場合の疲れやすさに繋がる - フレームがない
➡︎いれた荷物に合わせて形状が変わってしまう - 素材が薄い
➡︎耐久性に影響 - ポケットの数が少ない
➡︎収納スキルが必要
また、生産数が限られており、入手が難しいのもULガレージブランドの特徴。
反対に老舗メーカーの場合は、上記のような快適性を担保しているので、“重くても疲れにくい“ザックも多い。
自分が譲れないポイントはどこか、背負いやすさなどの機能性はどこまで欲しいか?という点から、方向性を絞っていくのが良いと思います。
自分に合ったザックは?
大まかに自分が欲しいザックの方向性(ULにするか否か)が決まったら、実際のザックを比べていく。
行動中のザックの揺れは疲労につながるので、フィット感が大切だ。
- 荷物量とザックの容量を合わせて中身が揺れないようにすること
- 自分の体に合ったサイズのザックを選ぶこと
が重要になる。
容量を考える
ザックの容量を選ぶ基準は、登山スタイルごと目安がある↓。
容量の目安
- 日帰り:20−29L
- 小屋泊:30−39L
- テント泊:40L〜
⭐️コンパクトなギアを使っているか、パッキング技術が高いか、といった点でも必要な容量が変わってくる
体に合うサイズを考える
実際に重いものを入れて背負ってみることが大切。
↓のチェックポイントを参考に、ザックのサイズ感が体(背面長)に合っているかを確認する。
チェックポイント
- ザックのショルダーストラップの付け根が、首の後ろの付け根部分にある出っ張った骨と合っているか
- ザックの腰ベルトが、骨盤の出っ張っている骨と合っているか
ひよこさんはずっと体にあっていないザックを使っていて、揺れが気になりました。
センパイの指摘で揺れないザックに替えたら、格段に疲れづらくなり驚きました。
フィット感は本当に大切だと痛感してます…。
まとめ
荷物をいかに楽に運ぶかは、快適登山の大切な要素だ。ぜひザック選びの際に参考にして見てほしい。
[購入奮闘記編]では、登山歴2年目にしてザックを買い替えた際の私の記録を残している。初心者かつある程度登山を重ねての視点が重なり、参考になる点もあるのでは、と思う。